投資信託の分配金  <投資信託⑦>

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投資では、だいたいふたつの利益があります。

①キャピタルゲイン(キャピタルロス)とよばれる売却差損益。

そしてもうひとつが、

②金融商品を持っていれば定期的にもらえる、インカムゲインとよばれるお金です。

投資信託の場合、分配金がこのインカムゲインとなります

 

個別株の「配当金」と似ていますが、

性質がずいぶん異なってきますので、分配金と配当金はしっかり区別します

 

配当金と同じ部分としては、

投資信託に決算があるときには、分配金は毎回でるということです。

決算の回数は投資信託によってそれぞれで、

1年に1回、半年に1回、毎月に1回というファンドもあれば、毎日というところもあります。

毎月決算型ファンドと書かれていれば、毎月分配金のでるファンド、ということです。

 

毎日分配型のファンドとしては、MRF・MMFが典型です。

MRFは証券口座を持っているだけで自動運用されるので、

銀行の金利のようなものと考えてしまいがちですが、

あれらも一応、投資信託の一種であることを確認しておきましょう。



 

 

【分配金はあったほうがいいか】

 

MRFやMMFという極端な例をのぞけば、

投資信託では分配金はでないほうが、優良なファンドと言えます。

 

  • 分配型ファンド → 運用で得られた利益を、投資家に分配する(単利運用)
  • 無分配型ファンド → 運用で得られた利益を分配せず、再投資にまわしてさらなる利益につなげる(複利運用・オススメ

 

株の配当金や株主優待と同じく、長期による効率的な利益より、

目先の非効率的な利益にめがくらむ人ほど、毎月分配型ファンドには手をだしやすいです。

気をつけましょう。

オススメしている世界経済インデックスファンドやセゾン投信は、もちろん無分配型ファンドです。

 

<分配金ファンドの弱点>

  • 分配金がでるたびにファンド自体の力が弱まる(基準価額・純資産残高がさがる)
  • 再投資による複利効果がない
  • 分配金がでるたびに課税される

 

分配金は純資産残高からひかれますので、結果的に運用資金がへって、ファンドも投資家も損をします。

また長期投資をおこなう場合、分配金を再投資にまわせれば、さらに売却益をねらっていくことができます。

基本的に毎月分配金ファンドがオススメできるのは、

老年層が年金がわりに分配金を使う、というケースに限定されます

現役世代などのリスクをとれる人は、長期投資専用の無分配型ファンドを使うようにします。

 

詳しく言うと、日本では法律上「無分配型」というファンドは設計できませんので、

「分配金再投資」の型をとっているファンドを選びます。

これは、無分配型だといつまでも税金を払わなくてすむ、という事態が発生するためです。

日本政府的にはそれはアウトで、税金の支払いを強要するために、このような仕様がとられています。

ちなみにアメリカではDRIPとよばれるシステムがあり、

運用が無期限のファンドでも、自動的に再投資する仕組みを選べます。

 

【毎月分配型がはやる理由と日本人の質の問題】

 

日本人はとにかく非計画的で、時間をかけて効率的に大きな稼ぎをえることより、

目先のなけなしの利益のほうが欲しい、という人が大多数です。

ですので外債を中心とした日本の投信の多くが、

その心理を利用して、毎月分配型という非効率的なシステムを導入しています。



 

だいたい特徴として、

毎月分配型の運用形式をとっているファンドには、

ソブリン(先進国債券)やハイイールド(新興国債券)といった名前が入っています

グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)もその典型です。

分配金がほしいという大衆心理を利用し、一時的には純資産残高が5兆円を越えました。

しかし2008年のリーマンショックの影響をうけ、

ベンチマークより低いパフォーマンスが目につくようになってからは、純資産残高が1兆円まで沈んでしまっています。

 

さらに最悪なことに、日本の毎月分配型ファンドでは、いわゆる「タコ足配当」がおこなわれがちです。

運用パフォーマンスの業績が悪いのに、わざわざ資産をくずして分配金をだすような仕様を言います。

こうした運用の仕方をするファンドは短命に終わりますので、買うべきではありません。

この点については、会社の経営が悪いにもかかわらず、むやみに配当金をだす個別株と、同じことが言えます。

 

分配金ファンドにかぎったことではありませんが、

長期にむかない悪性ファンドが日本ではやるのは、多かれ少なかれ、日本人の質の問題と言えます。

早い話が、国民ひとりひとりがもっと投信の知識を持てば、分配金ファンドがはやることもありません。

長期の資産形成にむくファンド・むかないファンドについて、

知らない方は、ぜひこの機会に熟知しておきましょう。



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