投資対象と2つの運用方針比較 <投資信託⑧>

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ファンドは様々な株式・債券にまとめて投資しますが、

これらの株式・債券の価格を平均化したモノサシとして、指数とよばれる数字があります。

ファンドの実質的な投資対象・運用内容は、指数と言っても過言ではありません。

 

ファンドがなにに投資しているのかは、

買う投信を決めるうえで一番重要なことです。

ファンドの性質を調べるときは、そのファンドがどんな指数に投資しているかを、しっかり見ておきます。

 

MSCIやFTSEといった国際指数に複数連動したファンドは、

それだけで世界の株式・債券に分散投資しているファンド、ということになります。

こうしたファンドはほとんど自分でなにかをする面倒がありませんので、

アセットアロケーションをくむ暇のない、本業持ちの忙しい人には、特にオススメです。

また逆に、新興国債券に限定した指数など、

局地的な指数に連動したファンドの購入は、自分でアセットアロケーションをくむ必要があるため、初心者にはオススメできません。

 

 

債券、純金、不動産など、金融商品はいろいろありますが、

投信の場合、基本的に株式の比率を大きくし(50%~80%)、なおかつ世界全体に分散投資したものを選びます

結果的に世界経済にほどよく分散投資しているファンドで、オススメできるのは、以下の3つのみです。

 

  • 世界経済インデックスファンド
  • セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
  • バンガード・トータル・ワールド・ストックETF

 

 

【投資信託の2つの運用方式】

投資信託の運営方針は様々ですが、なかでも大きくわけて、

インデックスファンド・アクティブファンドというふたつの様式があります。

<インデックスファンドの特徴>

  • 指数にあわせるように運用(パッシブ運用)
  • 信託報酬の手数料が低い(平均年率0.7%前後)
  • 自分の利益が指数の動きとともに推移


 

<アクティブファンドの特徴>

  • 指数の数字より上を目指して運用(アクティブ運用)
  • 信託報酬の手数料が高い(平均年率1.5%前後)
  • ハイリスク・ハイリターンとなる

 

インデックスファンドは、MSCIやFTSE、TOPIX、日経平均株価といった指数をベンチマーク(目標)として、

それにあわせるように運用します。

指数にあわせるだけなのでファンドマネージャーの仕事は楽になり、手数料となる信託報酬は低くなります。

 

いっぽう、

アクティブファンドは、指数をこえるように運用します。

独自に基準を設定し、銘柄を選択していますので、運用の成果はファンドマネージャーの腕がためされます。

ですからそのぶん信託報酬の手数料は高くとりますし、インデックスファンドとくらべると、価格の上下が激しいです。

 

現状、日本の投資信託の9割以上がアクティブファンドと言われ、インデックスファンドの数は少ないです。

なお、上述した世界経済インデックスファンドなどのファンド3つは、すべてインデックスファンドに分類されます。

 

【初心者はインデックスファンド】

結論から言うと、インデックスファンドとアクティブファンドでは、インデックスファンドのほうがオススメできます。

そして多くの日本人がそのことに気づかず、アクティブファンドばかりを買っています。

 

まず、

アクティブファンドのほとんどは、極めてギャンブル性の高い運用になりがちです。

実際のところ、6割以上のアクティブファンドは目標指数のベンチマークに負けている、という事実があります。

これが新興国債券などリスクの高い運用になれば、さらに8割ほどのファンドが指数を下回ります。

 

つまり、

高い信託報酬の手数料をとっておきながら、

余計なことをして、結局利益を確保できていないアクティブファンドが多いわけです。

あるいはアクティブファンドを名乗って手数料をとるだけとって、実際にはなにもしていないという詐欺的なファンドもあるのです。

ならば、結局は手数料の低いインデックスファンドで、指数を超えることも下回ることもない、放置状態で無難な運用をしていたほうが、アクティブ運用よりも利益は確保できてしまいます

 

あたりまえのことですが、

どんなに凄腕のファンドマネージャーでも、その後の市場の動向を、完璧によむことはできません。

もっぱら長期・パッシブ運用におけるファンドマネージャーの仕事というのは、

複数の投資対象を一日中観察し、銘柄のバランスを管理することです。

その仕事の代償として、投資家は信託報酬という形で、ファンドマネージャー達に給料を与えます。

 

また、

アクティブファンドには世界経済への分散投資をおこなうファンドが少ないです。

そしてインデックスファンドにはやはり、バランスファンドが多いです。

私達が投資信託を使うのは、

時間を節約するため、あるいは銀行口座の入出金のようなスムーズさを投資でも実現するため、という意図があります。

ならば局地的に投資をおこなうアクティブファンドを複数自分で管理するのは、

本来の投資信託の使いかたからは、はずれているわけです。

そうした面からも、初心者が投資信託を使う場合は、

世界経済に分散投資したインデックスファンドのみを使ったほうがよい、と言えます。

 

もちろんすべてのアクティブファンドが悪性というわけではありません。

セゾン投信の「セゾン資産形成の達人ファンド」のように、

インデックスファンドよりも良い運用結果を残すファンドも、中にはあります。

ファンドの運用成績である数値・インフォメーションレシオ(IR)が0.5以上あれば、そのアクティブファンドは優秀と言えます。

ただし多くの国内アクティブファンドが、基本的には信託報酬をぼったくる悪性ファンドであることに、違いはありません。

アクティブファンドを買う場合はインデックスファンドを選ぶ以上に、慎重になったほうが良いでしょう。

アクティブファンドは玄人向け、ということでおさえておきます。



 

 

【国際指数へのパッシブ運用の安全性について】

 

投資のおける基本的なことですが、無理にパフォーマンスをのばそうとすれば、

そのぶんリスクを負うことになります。

それは投資というよりも、投機に近いものになるのです。

アメリカ風に言えば、投資信託の本来の正しい運用のありかたとは、

ベンチマークを超えることではなく、ベンチマークにあわせることにほかなりません。

世界経済のベンチマーク(MSCI・FTSE等)に照準をあわせ、それにあわせるように運用する。

 

世界経済というのは短期的にはへこむことがあっても、長期的に見ればかならず成長傾向となります。

これはひとえに、人類が自分たちの生活や経済を、衰退させる理由がないからです。

極端な話が、私達人間がよい暮らしやさらなる文明発展を求める心の動きこそが、

そのままMSCIやFTSEといった指数に反映されている、と言うことすらできる。

だから世界経済の指数は安心できる指標と言えるのだろうと、思います。

たしかに日本のように、人口が下降の一途をたどっている国の局地的指数(日経平均株価など)だけに連動したファンドでは、

経済がへこみっぱなしになる可能性があり、この原理は適応できません。

しかしMSCI・FTSEなどの国際指数に連動したファンドは、世界人口がバックボーンとなっています。

世界規模で見れば、人口は増加しつづけているので、この原理が適応できると言えるのです。

 

国際指数という地盤のしっかりした指標で、さらにパッシブ運用という安定した方針で投資する

この投資の方向性であれば、世界が完全に崩壊でもしないかぎり、資産がくずれることは、まずありえません。



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